生活保護受給者の遺品整理は誰がする?相続人や費用負担について解説
身内に不幸があると、家族や親戚と相談して遺品整理を行うのが一般的です。しかし、生活保護受給者が亡くなった場合は、誰が遺品整理を行うのか、遺品整理にかかる費用はどこから出すのかなど、扱いが難しくわからないことも多いでしょう。そこでこの記事では、生活保護受給者の遺品整理について解説するとともに、遺品整理を行いたくない場合の対処法や遺品整理の費用負担を抑える方法をご紹介します。
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生活保護受給者の遺品整理は誰が行う?
一般的に、生活保護受給者の遺品整理を行うのは、以下のどちらかです。
- 相続人
- 物件所有者
相続人
生活保護受給者が亡くなった場合、相続人が遺品整理を行うのが一般的です。相続人は、故人が遺言により指名した人、遺言がない場合は血縁の近い親族になります。生前に生活保護を受給していると、役所の保護課が遺品整理をやってくれるのではと思われることもありますが、受給者が亡くなった時点で保護対象ではなくなるので、役所が行うことはありません。
物件所有者
生活保護受給者の場合、亡くなった時に身寄りが居ないことも多くあります。その場合、物件の所有者(大家や管理会社)が遺品整理を行います。物件所有者は、遺品整理を行う法的な義務があるわけではないですが、部屋を空けないと次の入居者を迎えられないので、親族が居ないとわかった時点で遺品整理を行う場合が多いです。
相続人が遺品整理をしたくない場合はどうする?
相続人は、故人の遺言や血縁により決められていますが、故人と関係が薄い場合や、すでに関係を絶っている場合、遺品整理をしたくないと思うこともあるでしょう。その際は、相続放棄をすると、遺品や財産、負債など全ての継承権がなくなるので、遺品整理をする必要もなくなります。相続放棄をする場合は、相続人になってから3ヶ月以内に家庭裁判所へ届出が必要なので、行う際は期間を確認しましょう。
故人の生活保護費で遺品整理はできる?
生活保護受給者が亡くなると、受給していた保護費を、遺品整理に当てることはできないのかと考えることもあるでしょう。しかし、生活保護費は受給者が「健康で文化的な最低限度の生活」を送るためのお金なので、遺品整理の費用に当てることは原則できません。受給者が亡くなった時点で保護費も打ち切りになるので、遺品整理にかかる費用は、遺品整理を行う人の実費になります。
遺品整理の費用負担を抑える方法
遺品整理の費用負担を抑える方法を、2つご紹介します。
- 自治体の扶助を受ける
- 相見積もりを取る
自治体の扶助を受ける
遺品整理に関する補助金はありませんが、一部の自治体で実施されている空き家の片付けに関する補助金が適用できる場合があります。認められれば、ゴミ処理や家財の運搬、ハウスクリーニングなどに補助金が出ます。自治体ごとに補助金額は異なり、上限を10万円として、片付けにかかる費用の全額、もしくは半額を補助する場合が多いです。
しかし、空き家の片付けを補助する制度なので、一定期間誰も住んでいないことが条件になり、遺品整理は対象外になる可能性もあります。扶助を受ける場合は、故人が住んでいた自治体の制度を確認しましょう。
相見積もりを取る
遺品整理を業者に依頼する際は、相見積もりを取ると、業者ごとに金額を比較して安い業者を選べます。遺品整理を請け負う業者は多いので、3〜5社を目安に見積もりを取ると良いでしょう。相見積もりを取ると価格相場がわかるだけでなく、業者への価格交渉も有利に進みます。
遺品整理に困ったらケースワーカーに相談しましょう
生活保護受給者が亡くなった場合、相続人が遺品整理を行うのが一般的です。しかし、故人との関係が薄くなっていたり、絶縁関係になっていたりして遺品整理を行いたくない場合は、相続放棄をすると遺品整理の義務も放棄できます。ただし、相続放棄ができる期限は決まっているので注意してください。
また、実際に遺品整理を行うにあたって、保護の手続きなどでわからないことがある際は、遺品整理にくわしい業者や役所の保護課、ケースワーカーに相談しましょう。